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9 R-18
彼女を自宅に招いた。
もし彼女を送ったとしてまたあの男が何かするかも知れないと言う不安があった。「すまない。私も部屋には何もなくて。どうだろう?私は少し外を走って来るのでお風呂でゆっくりしては?一応部屋などが無駄に広くてね。
私一人で持て余していたところなんだ。あああああ、決してやましい事考えてたりしていないよ!きっと!」
「きっと…?」
「すまない。少しだけあった。本当にすまない。取り敢えず適当に使っていてくれ。少し走ってくるよ」ははははと乾いた笑いを残して自宅のマンションを飛び出した。
自宅ならオートロックな上に警備も万全だ。
彼女の色気に当てられたと言うべきか、心臓の鼓動が鳴り止まない。
少しばかりの下心が、恨めしかった。
彼女は傷付いて怖い思いをしたばかりなのに、その心に漬け込んでしまった。
フルフルと頭を振りクールダウンしようと走り出した。思わず走り込んでしまった。と自分を少しだけ責めた。
私とした事が、彼女は一人で不安がっている筈なのに1時間も家を開けてしまった。部屋についた時は彼女はすでにソファーで横になっていた。
私のTシャツに着替え横になっている姿が、とても痛々しく辛い。
彼女をベッドに運ぼうとしたが、自分が思った以上に汗をかいている事にびっくりした。
このままじゃ彼女も気分が良く無いだろうと、そそくさとシャワーを浴びる。
ラフな格好に着替え彼女を抱き上げた。
黒く長い睫毛がとても艶やかで、抱き上げて初めて彼女がこんなにも華奢だと気付かされる。
少し薄い唇。整ったスタイルはラフな格好でもハッキリ分かる。すまない。私は卑怯な男だ。
と心で謝罪しながら彼女の唇に軽く触れるか触れないかのキスを落とす。
こんな事をする私を…。
少しだけ知っている甘い香りが鼻を擽る。「キース…」
何時の間にか目蓋を開けてた彼女が見つめる。
「ハッ!すまない!私は最低だ!」
「あなたは優しいのね。少しだけ、ほんの少しだけ、あなたの優しさを分けて…」雨宮が腕を首にまわす。
唇が触れる。啄み舌が歯茎をなぞる。
大人のキスで、自分がした子供のようなキスでは無い。「きたない私でごめんなさい。あなたの気持ちを知っていて、私が卑怯だわ」
「何故きたないと言うんだい?あなたはこんなにも美しい」優しくベッドに降ろし向かい合わせになり右手で優しく頬から顎まで触れる。
雨宮が甘い声を上げる。
今度はキースから子供の口付けではなく、下を這わせ口内を侵食していく。
頭を抱え込み、此れは自分のものだと言わんばかりに。ん…!ふ…!
お互いがひどく興奮しているがよくわかった。
自身が激しく勃ち上がりボクサーパンツからでも形がくっきり出ている。
雨宮の細い手がボクサーパンツに触れた。「私でこんなになってくれて嬉しい」
ボクサーパンツから陰茎を手でなぞり、強く扱いてみたり緩急をつける。
その間も二人は唇を貪る。
いくら雨宮が長身だと言っても、キースがはるかに背が高い。
両手が陰茎に愛撫をしている間、キースは彼女の張りの良い乳房に手を這わせる。
キースの大きな手でも少し余るぐらいの乳房をやわやわ揉みしだく。
形の変わる乳房が別の生き物に見えた。
吸い付く乳房の先端の突起を優しく摘まむ。
雨宮の唇が離れ、「あ…ん…」と声が漏れた。
首筋、鎖骨、耳朶と甘噛み、彼女の味を確かめる。
甘い香りと甘い味がキースの脳内を痺れた。
味わった事のない快感が駆け巡る。乳房に舌を這わせちゅくちゅくと音を立てて吸い上げる。
とても淫靡な音で、雨宮が手を止めた。「雨宮…あなたの身体は甘いよ。香りも甘い」
「い…わないで…恥ずかしい…」
「それにこんなにも濡れている…」下着の上から亀裂をなぞり、ぷくっと膨れたクリトリスを押しつぶした。
「ひぅ…!」
声にならない声をあげてキースにもたれかかる。
軽くイってしまった。「あなたは…女の悦ばし方を…知っているのね…」
「違う。あなただから、雨宮だからだよ?私は嘘はつかない」
「私はあなたに出会えて幸せね。あなたには気持ち良くなって欲しい。私がいた事を忘れて欲しく無い」懇願するように言うと、キースの陰茎を口に含む。
あ、きたな…!と言う静止する言葉を無視し、舌で鈴口を刺激する。
塩気のある先走る液体が、上下する唇の潤滑油になる。
時には強く吸い付き、時には甘く。
両手で根元を扱き、裏筋に舌を這わせ、睾丸を含み甘噛みをする。「あ…雨宮…、もう…」
「お願い。イクなら私の中で果てて。あなたを私の身体に刻んで…」キースの上に跨り誘導した。
雨宮がゆっくりと膣口にあてがう。くちゅりと卑猥な音がお互いの耳を犯していく。「ああ、雨宮…すごくあなたの膣内(ナカ)は温かくて締め付けて気持ちがいいよ…」
「ん…キース…、も…っと…私を壊して…!」下から本能で突き上げる。
此処までくると余裕などと言う言葉は無かった。お互いに獣のように口付けし、乳房を形が変わるまで揉みしだき、仰け反りながら空いた手で睾丸を刺激する。
クリトリスに手を当て刺激を与えると、キュウキュウと陰茎を締め上げてきた。「あ…もう…イク…!」
「私もだ...!」
「お願い…!膣内で出して…お願い…!」
「雨…宮…!」
「!!!」
「イク!ああ!キース!イッ…!!!」自分でもびっくりするほど射精した。
長く彼女の奥に自分の精液が搾り取られていく。
きゅうぅと根元から先端まで刺激が加えられ、脱力感と幸福感が交差した。
雨宮はへたりとキースにもたれかかる。
はぁはぁと荒い息遣いと柔らかく赤く上気した肢体がより艶かしい。その後は明け方迄お互いを貪った。
驚くほどの量が彼女の中で果てたと言うのに、彼女は大丈夫とだけしか言わなかった。
私は決して彼女を離さない。離したく無いと囁く。
彼女は私は汚れてるの。と軽く言った。ピピピ…
けたたましいアラームを手探りで止める。
どうしてこんなに身体が心地よい疲労感があるのだろう?
夢見心地でベッドに寝返りを打つ。
少しだけ暖かいそこは、少し前迄誰かがいた事を表していた。
ゆっくり現実に戻されていく記憶を辿る。
確か私は彼女と……………………!
急に顔が真っ赤になる。汗が少しだけ出てきた。
あれだけ汗を出した筈の身体は綺麗に拭われている。
シーツにも乱れが無い。昨日の事は夢かと錯覚しそうになったが、テーブルに手紙があった。『素敵な一夜をありがとう。あなたにはもっと素晴らしい女性がいると思います…』
とだけ添えてあった。
どうして⁉あれだけだけ私が伝えた気持ちが彼女には伝わらないのだろう⁉
焦る気持ちを抑え、シャワーを浴びる。
今日も確か彼女がいる会社に出向く予定があった筈だ。