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カタカタ…リズミカルにキーボードを叩き、報告書を纏める。
考えて打ち込み、また消して、打ち込む。
入力は苦ではない。しかし、報告書は別物だ。

うーん、うーんと唸りながら資料とディスプレイを交互に睨めっこする。
きっとユガミさんからは、こんなものも出来ねぇのかい?と言って嗤いながらさっさと片付けちゃうんだろうな…。
ナルホドさんはパソコン苦手って言って先輩に任せっきりだし、そこに私が聞くのもなぁ…。
別に苦手じゃないけど、文章をまとめるのは苦手。特に報告書なんて残る書類だし、先輩みたいにまとめる能力ないし…。
もーヤケだ!
やるだけやってやるんだから!

カタカタ…

「ハミちゃん、見てて楽しい?」

キーボードを叩く側でハミちゃんが目を輝かせて見つめる。

「はい!何というか魔法みたいです!」
「魔法?」
「ワタクシ、こういった類のモノあまり見かけませんので、とても不思議な感じです。画面上に文章が出てくるんですよ」

なんだか肩の力が抜けてくる。流石はナルホドさんの知り合い!
力がふと抜けて、カタカタとキーボードを叩くリズミが良くなる。

「ハミちゃんありがとう!早く終わらせて一緒にケーキ食べに行こう!みんなには内緒で」
「はい!ケーキ楽しみです!」

よし、さっさと片付けますか!

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